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わすけ写真ギャラリー

マスターのひとりごと

【4月27日配信分】

◆まずは、仙台牛たんの歴史など・・・。

今から約60年前、昭和27年に佐野啓四郎さんと言う方が仙台で牛たん焼き
の店、太助を始めました(ちなみに私の師匠の師匠です)。

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進駐軍が駐屯して牛肉の消費量が増えた為、内臓やタンは余剰部分として
安く流通するようになったので、それ以前は焼き鳥屋さんだったのですが、
タン焼きの方法を研究して、できたのが仙台牛たん焼きの始まりです。

その後、昭和50年に喜助(本当はキは七が三つ)が太助の援助を得て
誕生してから、その後急激に増えて、仙台名物牛タン焼が広まりました。

喜助は仙台牛タン振興会の会長をやっているので、仙台牛タンの名を
全国的に広めたのは喜助の大河原さんの功績が大きいと思われます。

仙台牛タンと言うといまだに仙台牛のタンだと思っている方がいますが、
国産牛タンの流通量の少なさと高価な原価のため、とても扱えるものではなく、
仙台の牛タン店のすべてが輸入のタンに頼っています。

2003年の米国産輸入禁止以前は70~80%がアメリカ産でしたが、
今は70%近くがオーストラリア産かニュージーランド産です。
次いでメキシコ、ホンジュラス、カナダなどでアメリカ産の牛タンを使っている
ところはごく一部です。

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【5月11日配信分】

◆牛タンの産地と味の違いについて

仙台の牛タン店の多く(70%位)はオーストラリア産かニュージーランド産と
言う事を前回のメールで話しました。

オーストラリア産はグラスフェッドと言って広い草原で牧草飼育の放し飼いが
中心です。

一方、アメリカや日本は囲い飼いで牛小屋に閉じ込めて(フィードロッドと言う)
穀物飼料で飼育しています。グラスフェッドに対してグレインフェッドと言います。

穀物飼育の牛肉はサシ(霜降り)が入って日本人の好みの味になります。

A5ランクでサシがきれいに入って・・とか自慢する牛肉はもっぱらこちらの
飼育方法で育てられています。

なんとなく広い草原でのびのびと育った牛の方が美味しいように思えますが、
実は日本人好みのサシが入った高級な霜降り牛は閉じ込められた環境で
穀物飼料で育った牛なのです(笑)。

牛タンも全く同じで、穀物飼育のアメリカ産や国産牛は脂の旨味が牧草飼育
のオーストラリアやニュージーランド産とはまるで比べ物になりません。

アメリカ産が輸入禁止だった時期に一時ニュージーランド産しか入らなかった時
には牧草飼育の肉独特の黄色みがかった脂が嫌で牛タンをスライスする事が
苦痛で、もう辞めたいと思うほどでした。

今はアメリカ産の冷凍していないタンが順調に入荷しているので、わすけでは
アメリカ産のチルドの牛タンを使用しています。冷凍していないために品質保持
期限が短く、コストも高くなりますが小さな店なので毎日新しいものを少しずつ
仕入れながら仕込みをすることができるのです。

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【6月1日配信分】

◆私が牛タン屋を始めたきっかけ

私は大学を卒業してからS百貨店系のアパレル専門店に28年間勤務していましたが、
50歳になったばかりの2003年2月末にS百貨店のリストラに伴い会社が清算になり、
生まれて初めての失業&転職を経験することになりました。

再就職を斡旋してくれる会社を当てにして1カ月は仕事を探しましたが、スキル無しの
50歳では仕事がないので、会社員時代に冗談で会社を辞めたら牛タン屋になる~~!
と言っていた通り、ほとんど思いつきで牛タン屋になることにしました。

とはいっても知識も技術もないのでまずは修行だな・・・・と思い、八丁堀の和助と言う
牛タン屋に飛び込みで入って修行をさせてもらうことになったのです。

5月の連休明けから見習いを始めたのですが、和助は開店2年目にして経営不振で
潰れる寸前だったので、前のオーナーから経営権を買い取って6月1日には私が
オーナーになり、店名もひらがなの<わすけ>に変えてスタートしました。

牛タン屋の内装・設備も板前も揃っていたのでここまではラッキーだったのですが、
ボチボチお客様が付き始めてきたその年のクリスマスイブに不幸な事が起きました。


BSEの影響でアメリカ産牛肉が全面的に輸入禁止~~っ!!となったのです。


国内で流通している牛タンの約80%を占めていたアメリカ産の牛タンの輸入が
ゼロになったのだからそりゃ大変です。代わりにオーストラリア産を使用するしかなく、
供給量が少ないので値段がウナギ登りで2003年はアメリカ産が800円/kgだった
のに、2005年にはオーストラリア産が4000円/kg、なんと5倍にまで跳ねあがり。
(小麦粉が20%値上げとかキャベツが2倍とか聞いてもフン!!と思いますよ!)

2006年の夏にアメリカ産牛肉が輸入再開になるまではいつ潰れてもおかしくない
状況でしたが、それでも11年間やって来れたのはこのメール配信でお得意様との
コミュニケーションができて、支えていただいた事が一番の要因なのです。

元はと言えば最初にホームページの作成を依頼した業者がおまけに付けてくれた
メール配信ソフトがきっかけだったなんて・・これもいま思えばラッキーでした(笑)。
 

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【6月16日 配信分】

◆わすけが焼酎にこだわるわけ

わすけのお酒はご存知の通り、本格焼酎が中心です。

特に前もって水で割って寝かせたものを黒ジョカ(正しくは黒ヂョカ)に
入れてぬる燗で飲むのをイチオシにしています。

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結果的にはこの黒ヂョカがわすけのウリの一つになっています。


今でこそ、焼酎の事なら私に任せなさい~~!!みたいな顔をしていますが、
11年前に店を始めるまでのサラリーマン時代にはい●ちこ専門でした(笑)。


店を始めるんだけど・・と、幼馴染の(ゴルフのライバル)K君に相談したら、
<牛タン屋なら芋焼酎をやった方がいいよ~~!>と、勧められました。


その時は正直言って、<え~~、まさか~~!!(苦笑)>と思いました。


高校時代に岡林信康の山谷ブルース・・・・今日の仕事はつらかった、後は焼酎を
あおるだけ~~~♪、なんて歌を聴いて育った自分には焼酎に良いイメージがなく、
芋焼酎なんて臭いし、安いだけの労働者の酒…としか考えてなかったのです。

でも、色々と飲み歩いて研究してみると、美味しいものは美味しい!!
(今でも普通に手に入る芋焼酎は美味しくないものが多いですが・・。)

2003年6月に店を始めた・・と前回書きましたが、dancyuの2003年6月号は
本格焼酎特集の第1回目だったので、すぐにdancyuを買って猛勉強しました。

そのdancyuは今でもボロボロになって店にありますが、どの銘柄が良いらしい、
どうやって飲むのが美味しい、どんなつまみを合わせると良い等、研究しました。

ちょうど焼酎ブームが盛り上がっていたタイミングでもあったので、そのまま
わすけ=焼酎屋みたいな形で今日に至っています。

酒屋さん主催の焼酎の会にも開店以来毎年参加して酒蔵さんとの交流も
深めながらこれからもわすけでは本格焼酎を中心にやって行くつもりです。

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おいしい焼酎の事なら今の私にご相談ください。

 

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【6月29日配信分】

 

わすけのお奨め焼酎を一部紹介

順不同

1、しま千両(高崎酒造)・・・種子島の高崎酒造では甘露と言う芋焼酎が
中心銘柄です。わすけイチオシのしま千両はその甘露をベースに、蔵の古酒を
ブレンドすることにより、甘みや旨味、まろやかさを出していて、飲みやすく
飽きがこない味なので7年前からメインの酒になりました。
甘露はセブンイレブン他でも買えるけどしま千両は限定品で全国でも8件の
酒屋さんでしか買えないので希少価値があり、本来ならばプレミア物です。

2、ひとり歩き(古澤醸造)・・・宮崎・日南の古澤さんの酒は八重桜なども
ありますが、わすけではひとり歩きだけを扱っています。
ひとり歩きは3種類あって、白ラベルのレギュラーも美味しいのですが、
黒ラベル(黒麹)、茶ラベル(古酒)は共に年に一度だけの限定発売品です。
ジョイホワイトと言う新種の芋を使った独特の風味が特徴で(大酒飲みの)
わすけのオカミさんの一番気に入りはひとり歩きの古酒です。

3、龍宮(富田酒造)・・・・奄美大島の富田さんが家族で造る龍宮は黒糖焼酎
の中でもイチオシです。最近は息子さんが島に帰られて一緒に造っています。
数年前に家族で奄美大島に行った時に富田酒造を訪ね、富田さんと飲みに行き、
富田さんの純朴な人柄に私の家族全員が魅せられてしまいました。
黒糖焼酎は長雲・朝日・龍宮が御三家と言われてますが龍宮が一番好きです。

4、月の中(岩倉酒造)・・・宮崎県西都市の岩倉さんには未だに会う機会に
恵まれていないのですが、誰もが納得する優しい味わいで一番好きです。
九州酒蔵出張に行く機会ができた時には、一番に訪れたい酒蔵です。
月の中以外にはくららと妻がともに我が家のお気に入りです。

5、八幡(高良酒造)・・・焼酎の勉強をして歩いたころ(単なる飲み歩き?)
焼酎の師匠とも言うべき人物から「これこそが一番」と言われたのが八幡です。
八幡の高良(こうら)さんが年に一度だけ無濾過で発売する「はちまんろかせず」
は、その中でも抜群の味・コク・香りでわすけの選ぶ「究極の芋焼酎」です。
店を始めたころは1年に1本手に入れることができるかどうか???と言う
超入手困難銘柄だったのに、最近は3月になると箱単位で購入できるように
なったことが何よりも自慢です(笑)。

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